はじめに
Microsoft・Power Platformの全般的な知識を問う「PL-900」は、企業が業務効率化・生産性向上を図る上で重要なアプリ開発における基本的な知識が身につく資格です。
筆者の私は、2024/11/30に受験し、1000点満点中700点で合格のところを869点獲得し、合格することができました。この記事では、どのような勉強や試験対策が有効かを合格者目線でお伝えします。
PL-900とは?
簡単にPL-900の概要をおさらいしましょう。PL-900: Power Platform Fundamentalsは、Microsoft Power Platformの基礎知識を測る試験です。
ビジネスに関するデータ分析や課題対策用のアプリ開発、定常業務の自動化やチャットボットの作成など、業務効率化・生産性向上のためにMicrosoft Power Platformを活用するための知識を得ることができます。
また、情報システム部の従業員がこの資格を取得することで、社内の業務効率化・生産性向上のニーズに対して的確にアドバイスをしたり、ユーザー部門とベンダーの間に入って開発をスムーズに進めるなどの働きができるようになるでしょう。
出題範囲と割合は以下の通り。
出題範囲 | 重み |
---|---|
ビジネス価値の説明 | 20~25% |
コアコンポーネントの特定 | 10~15% |
Power BIの機能 | 10~15% |
Power Appsの機能 | 20~25% |
Power Automateの機能 | 10~15% |
Power Pagesの機能 | 1~5% |
AI作成エクスペリエンス(Copilot Studio・AI Builder)の説明 | 10~15% |
出題の割合から、以下の学習が重要であることがわかります。
- Power Platformのビジネス価値を理解すること
- Power BI、Power Apps、Power Automateの機能を理解すること
- Copilot Studio・AI Builderを理解し、説明できること
試験対策のポイント:学習法とテクニック
学習計画の立案
PL-900は初級の資格なので、合格までにかかる時間はさほど多くありません。普段業務でPower BIやPower Automateを利用している人なら、勉強時間は短くなるでしょう。
普段からPower Automateを業務利用している私は、以下のようなスケジュールで試験に挑みました。
- 勉強開始から試験日までの間隔:2週間
- 勉強時間:20時間程度(一日1時間で、たまに勉強しない日もあった)
重要なトピックの特定
重点的に勉強すべきなのは、以下の内容です。まずはこれらへの基本的な知識を身につけるところから始めていきましょう。出題割合の低いPower Pagesなどは後回しにしましょう。
- Power Platformのビジネス価値を理解すること
- Power BI、Power Apps、Power Automateの機能を理解すること
- Copilot Studio・AI Builderを理解し、説明できること
参考書や学習リソース
有効な学習リソースは、Microsoft Learn(無料)とUdemy(有料)です。
Microsoft Learn
Microsoftが提供する無料の学習リソースで、充実した最新の情報が掲載されています。受験者の中には、Microsoft Learnだけで勉強して合格する人もいます。本試験用に用意されているラーニングパスは以下の通り。
- Microsoft Power Platform のビジネス バリューについて説明する
- Microsoft Power Platform の基本的なコンポーネントの確認
- Microsoft Power Apps を使用してアプリケーションを構築する方法について説明する
- Microsoft Power Automate を使用した自動化の構築についての説明
- Microsoft Power BI の機能について説明する
- Power Platform での AI 作成エクスペリエンスについて説明する
- 優先度低:Microsoft Power Pages の機能を実演する
ただし、知識を身につけるには十分なリソースではあるものの、本番の試験で出題される問題を解くための対策は別途必要です。
Udemy
資格勉強に役立つツールといえばUdemy。動画形式の講座が山のように存在します。
日本語の講座は少ないので候補は限られますが、以下の講座の受講をおすすめします。
- 【動画解説!】PL-900 Power Platform Fundamentals 試験対策講座
- PL-900 Power Platform Fundamentals 模擬問題集
- PL-900: Microsoft Power Platform Fundamentals(英語。日本語字幕あり)
私は2と3を購入しました。英語教材の3を選んだのは、日本語字幕があること、ハンズオンの量が多いことです。受験までの時間が短いわけではなく、じっくり学習していくつもりでした。ただ、字幕があるとはいえ音声は英語なので、やはり効率は悪いですね…。この世界でやっていくためには、英語の勉強は欠かせないと思います。
2の模試問題集は200問も用意されており、合格に十分な量だと言えるでしょう。後述のExamTopixsとほぼ同数で、内容もほとんど同じです。
ExamTopics(無料)
海外の資格を受験する時に役立つサイト。本番の試験でも出てくる問題がそのまま掲載されている、ある意味でチート級のサイトです。
試験に合格することが最優先の方は、ExamTopicsを活用しましょう。そうではなく、知識を身につけることを優先したい場合は必須ではありません。
ただし、本番の試験では、Udemyの問題集と異なる問題形式で出題されます。問題形式に慣れるという意味では、ExamTopicsは最も有益なツールです。
私の試験合格までの流れ
私の場合、勉強開始から受験までのスケジュールは以下のような感じでした。
- 1~2日目:Udemyの問題集 一周目。平均点は40点程度。
- 3~5日目:Udemyの試験対策講座、およびMicrosoft Learnで知識を身につける。
- 6~7日目:Udemyの問題集 二周目。平均点が70~80点程度になる。
- 7~14日目:問題集二周目で間違った問題をAnkiに登録し、ひたすら繰り返し解く。どうしても分からない問題があれば、Udemyの試験対策講座やMicrosoft Learnで調べる。
本番の試験について
参考書を用いて入念に学習した後で試験に臨むと、以前解いた問題と全く同じ問題が出ることに気づくでしょう。
出題範囲の知識をしっかり身に付け、試験対策も完璧に行っていれば、合格することはそう難しくはないはずです。
まとめ
PL-900試験は特に難しいものではありませんが、勉強を通じて得られる知識は実務に大いに役立ちます。
ただし、合格するだけでは即戦力とはなりません。Microsoft 365の保守運用に関する知識を活かし、実務経験を積むことが重要です。これを実践的なスキルを身に付ける第一歩と捉え、皆さんの成功を祈っています!
コメント